観光とIT、DX ~新たなビジネス~

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5.新たなビジネス

ここでは、技術的な分類ではなく、ITやデジタルデータを活用することにより、 これまでにない新たなサービスの提供、あるいは、これまでの課題を解決するた めのデジタルを活用する取り組みについて説明します。これまで説明をしてきた 4つの分類、技術をミックスした取り組みとなるもので、DXという呼び方になると思います。例えば、地域や施設を訪れる観光客の混雑度を把握して、 その情報をリアルに提供するとともに、曜日や月度、季節などの単位で混雑度の 傾向を提供、情報公開することにより混雑緩和の防止につなげる取り組み、AIにる地域観光の提案、デジタルコンシェルジュといった観光案内などの取り組み、MaaSと呼ばれる2次交通の手段までを提供し、予約が可能な仕組みなどの事例があります。ただ、DXという用語が一般化し、それを使う人や組織により違いがあるように思います。パッケージ化されたシステムを導入することをDXと呼んでいるケースも散見されます。

DX(デジタル・トランスフォーメーション)とは?
総務省「情報通信白書 令和3年版」によれば、2004年にスウェーデンのウメオ大学のエリック・ストルターマン教授によって提唱された。教授の定義によると、「ICTの浸透が人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させること」とされている。とあります。 また、経済産業省の「デジタルガバナンス実践の手引き」にある以下の記載がわかりやすいと思います。
・デジタル技術やツールを導入すること自体ではなく、データやデジタル技術を使って、顧客目線で新たな価値を創出していくこと
・また、そのためにビジネスモデルや企業文化等の変革に取り組むことが重要となる。
当社でも、この内容をDXとして定義し、取り組みの支援をしています。

観光分野でのDXの取り組みは、この数年間で特に注目を集めるようになっています。特に、コロナ禍により、人の移動が制限されたことで、ITを活用する意識が事業者や行政、地域団体にも広く醸成されたこと、国や行政等によるデジタル化支援、DXに対して目を向けさせる施策も見られるようになったこともその要因と言えます。

例えば、観光庁は2022年度から年度事業として、「観光DXによる地域経済活性化に関する先進的な観光地の創出に向けた実証事業」を公募しており、以下の観点による取り組みを支援する事業となっています。
①旅行者の利便性向上・周遊促進
②観光産業の生産性向上
③観光地経営の高度化を推進し、取組ごとに稼げる地域の実現につながる先進モデル
④観光デジタル人材の育成・活用

観光庁「観光DX」のウェブサイトではこの事業の取り組み内容を紹介する他にも、Noteなど各種のメディアからの情報発信、コミュニティづくりも実施しており、力の入り具合と期待感が伝わります。


このようなDXへの取り組みに対して補助金を利用できる支援策が、国や都道府県、市町村の単位で実施されています。観光DXは、一つの企業単位での実現には技術的、人材的な制約があり、さらに地域を巻き込む仕組みにならないと効果が発揮できない要素が多くあります。地域での連携による複数団体によるプロジェクトやコンソーシアムのような形で取り組むことが出来れば、より効果的な取り組みとなり、成果も生まれやすいものと考えられます。

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